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セイントグループ代表の武田氏(以下「武田」)と個別指導学院サクシード代表の
高木氏(以下「高木」)との出会いは、日本青少年育成協会が主催する「こどもたちに
ビブスを贈るプロジェクト(フリービブスプロジェクト)」がきっかけとなりました。
この対談も日本青少年育成協会の後援のもとに、実現に至りました。
はじめに高木さんの学習塾が大切にされているコンセプトをお聞かせください。
一般的な学習塾は名門校や難関校への進学実績を重要視するので、そのような学校を目指す生徒に合わせてカリキュラムがつくられています。私はそのような、いわゆる「合格実績主義」という考え方が好きではないんですね。私が学習塾を始める際に「個別指導」という形にしたのは、名門校や難関校への進学実績よりも、「生徒一人ひとりの夢を応援する」という部分を重要視したからなんです。
我々も設立当初は実績という部分を重要視してJリーガーを輩出しようとか神奈川で1番になろうというような目標を掲げていたんです。 しかし途中からこどもが望むような形でやるべきではないかという考えに変わったんですね。そういった意味で非常に似通っている部分があるなと感じますね。
そうですね。私も本当に似ていると感じます。色々と提携の話があったなかで、是非御社と一緒にやりたいなと思ったのは、武田さんと私の考え方に似ている部分が多かったからなんですよ。
学習塾の先生、あるいは経営者としての立場からでも結構なんですが、サッカーを含めたスポーツ活動に対する考えをお聞かせ願えますか?
実はスポーツをやっている子の方が勉強に対する集中力というか、部活を引退した後の成績の伸び率が高いんですよ。そういう意味で彼らが何かを目標にした時に発揮する力というのは、スポーツを通じて培われたのかなと思いますね。 我々の塾にも様々な競技における全国クラスのこどもが我々の塾にも在籍しているのですが、彼らはなかなか決められた日にちや時間で塾に通うことが難しいんです。
そうしたこども達に通って頂けるのも個別指導ならではなのかなと思います。
スポーツをしていれば必ず頭がよくなるという訳ではありませんが、それを通じて鍛えられる心などは勉強にも繋がってくると思いますね。
サッカーの目線からも同様で、文武両道と言う言葉があるようにチームのためにというか組織的にプレーできるこどもが頭の良い学校に進学したりするんですよ。
そういった部分が垣間見えるわけですね。
そうなんです。スポーツのなかでも頭脳的であったり、献身的であったりと言う部分が勉強にも繋がるのかなと思います。
昨年から今年にかけての高校ラグビー選手権でも毎年東大に30~40人輩出しているような高校が出場していることを鑑みると、一概には言えませんが、スポーツで一定の成功を収めるには頭の良さも重要なのかなと思いますね。
頭の良い高校がスポーツでも強豪校であるという話はよく出ますからね。サッカーで言うと長崎県の国見高校などが有名なのですが。
やはり指導者が素晴らしいのだと思います。こどもたちの今後の人生を考えて、バランスよく運動と勉強の課題を与えているのではないでしょうか。今お話しに挙がった国見高校で監督をされていた小嶺さんの考えには、私も感銘を受けたことがあります。
サッカー業界から見ると、我々が事業を始めた頃に比べると中学校、もっと早い方では幼稚園から受験される方が増えているように感じるんですね。 サッカーでも熱心な保護者は早期から強いチームで活動させようと考えてセレクションを受けさせたりするのですが、勉強の世界だとよりその傾向が強い気がします。 習い事として我々の活動と塾が重なってしまうと素直に残念ですけど、こどもの人生を考えると塾には行かないで下さいというのではなくて、なるべく両方続けて下さいというような声掛けをしています。
やはりサッカーをしているこども達に対してもしっかり勉強をしてほしいという考えを お持ちなんですね。サッカーが上手くなってほしいとか勉強が出来て欲しいという願い以前に、 こどもたちに良い人生を送ってほしいという考えが、武田さんと私に共通してあるのかなと思いますね。
保護者の方と話すときにプロサッカー選手になるわけではないし・・というような話をたびたびするのですが、塾業界ではどうですか?例えば東大に入るわけでもないし・・ですとか。
勉強って何のためにやるのかと考えた時に、豊かな人生を送るためだと思うんです。豊かな人生と聞くと経済的な豊かさをイメージしがちですが、例えば精神的な意味からも言えると思います。 勉強はそうした種類の豊かさを得る手段としてあるものなんだという考えですね。ですから冒頭でもお話したように合格実績主義という考えが好きではないんですよ。 本音を言うと最低限のことさえクリアすれば、あとは勉強でもスポーツでも好きなことをやってほしいと思います。
勉強というものは大人になった時にどのようなジャンルで活躍しようが、こどもの頃からやっておいて損はないですもんね。
そうですね。NHKの大河ドラマを観るときでも、日本史の背景を知っているこどもは楽しみ方も違うと思うんですよ。こどもの頃に得た知識が大人になった時に職業にリンクしていれば良いと思いますし、リンクしていなくても楽しい人生を送るために知識を持っていて損はないと思います。 学習塾の勉強というと受験につなげて考えられがちなのですが、本来学問の目的と言うのは世のため人のために何かをするという部分にあると思うんです。今は個人の幸せに焦点が当たりすぎているのでそうした考えはあまり聞こえなくなりましたけど・・。
よくこどもたちがJリーガーになりたいというような話をするんですね。でもその先の目標がないからそこで終わってしまう。 こどもたちに何が大切かと考えた時に進歩する、努力する力を身に付けさせる教育だと思うんですね。 サッカーであればプレーすることによって培われる心の面がありますし、勉強についていえば幅広い知識を身に付けることが進歩や努力する力に繋がると思うので、やはり相通ずる部分がありますね。
技術だけではなくて努力する力などを教えるということは凄く良いですね。勉強にしてもサッカーにしても才能があっても努力したり、我慢する力がないと上には行けないですからね。そういった点を教えられる指導者がいるクラブに通うこどもは幸せでしょうね。勝利至上主義ではないという考え方が御社に対して好感を持った点です。
提携のきっかけとなったのが、地域のこどもたちを支援する目的でスタートした一般社団法人日本青少年育成協会のフリービブスプロジェクトだったんですよね。実際にはじめて高木さんにお会いしてお話を聞いた時の印象が、弊社のコンセプトであったり、創業以来やってきたことに似ているなというものでした。
我々がそのプロジェクトに参加した理由として、個別指導の学習塾は地域の方々から支えられて経営が成り立っている部分も大きいですから、地域の方々に何か還元できないかなという思いがあったんです。
その切り口としてサッカーというところまで限定はしていなかったですが、頑張っているこどもたちを応援することで今まで受けてきた恩に報いることが出来ないかと考えたんです。地元の方々無しに今の我々はありませんから。
はじめてビブスを提供したのが川崎市中原区のチームなんですが、その地域は我々が3番目に開講した教室がある所なんです。それまではなかなか上手くいかないこともあったのですが、中原区の教室にたくさんの生徒が来てくれたことで自信がつきましたし、経営も軌道に乗るきっかけとなったんです。ですので、まずはそこから恩返しがしたいということで、最初に中原区のサッカーチームにビブスをお贈りしたんですよ。
やはり高木さんのこどもたちに対する思いですとか、周りに支えられて生きているという思いがそうさせるんでしょうね。
小学生の時にサクシードの生徒だった子が、今は大学生になり、今度は講師としてサクシードに通っている子もいるんですよ。そうした光景を見ると塾をやってきて良かったなと思いますね。
我々も多少なりとも保護者の方々にお金を負担して頂いて活動しているので、支えられて成り立っているという思いは常にあります。まさに高木さんが大事にされている点と私たちの原点が合致するなと感じますね。 提携することによって夢に向かって努力しているこどもたちやそれを支える保護者の方、あるいはその他の地域の方々のためになるようなサービスを打ち出していければいいですね。
そうですね。スポーツだけやってほしいという親もいなければ勉強だけやっていればいいという保護者もいないと思います。 この提携によってそれぞれが持っているリソースを通じてお互いの会員様に対して付加価値を高めることが出来ると思いますね。
お互いの良さを生かして様々なニーズに応えていけると良いですね。